玉操作と資金管理

クライアント様からのご要望で、今回は資金管理(玉操作)の基本について書かせていただきたいと思います。基本とは書きましたが、玉操作についての情報は一般には出回り難く、誤まって理解されてしまう方も多い情報となっておりますので、ある程度のトレード経験があり、且つ資金管理に興味のある方のみ読み進めていただければと思います。

個人的には、相場は玉操作のみでも勝ててしまうと考えています。

玉操作(資金管理)に関する基本的な考え方

はじめに ~玉操作についてよくある誤解

玉操作有りの資金管理というものを説明すると、必ずカジノ等で使用される「投資法」と誤解されてしまう方が見えますので、まず始めに注意点を書いておきたいと思います。玉操作とはカジノ等で使用されるマーチンゲールやモンテカルロといった「投資法」の事ではありません。解説を見て受ける印象としては「投資法」に似ているかもしれませんが、全くの別物となりますので、以下を読み進めていく上でご留意願います。

玉操作の目的

玉操作の目的は「玉操作を行い資金管理のみでトレードに優位性を持たせる事」になります。
ここでは「裁量デイ/スイングトレードを前提にした玉操作」について解説していきますが、基本的な考え方は色々なトレードに応用可能となるのではないかと思われます。

エクセル資料のダウンロード

玉操作による資金管理を解説していくには、WEBサイトやPDFでは無理がありますので、資料としてエクセルファイルのダウンロードをお願いします。

玉操作/資金管理エクセル資料ダウンロード

以下、エクセルファイルを元に話を進めていきたいと思います。

エクセル資料についての解説

まずエクセル資料を簡単に解説していきたいと思います。

シート①~⑨について

玉操作を解説する為、以下のような簡単なEAを2つ用意しました。

  • 日足の始値で買い、日足の終値で売る。を繰り返すEA
  • 日足の始値で売り、日足の終値で買う。を繰り返すEA

上記EAを回した結果をエクセルファイルへ記録しました。
エクセルシート1~9枚目へ通貨ペア別にEAを回した結果を記録してあります。データの見方としては、左側半分が日足で買い続けたEA、右側半分が日足で売り続けたEAとなっています。それぞれユーロドル、ドル円、ユーロ円、ポンド円、ポンドル、オージー円、オージードル、スイス円、ドルスイスの9通貨ペアで記録してあります。

シート表①について

シート表①では、上記EAの獲得pipsのみを抜き出して記録してあります。

シート表②について

シート表②は、1年間一定の手法でEAを回した損益pipsを記録してあります。
ここでは、CCFpという通貨毎の強弱を測るインジケーターを使用し、日足確定時に、9通貨ペアの中で一番強い通貨を買い、一番弱い通貨を売っただけの単純なトレードを記録してあります。

ここで紹介しているトレード手法は、玉操作を解説する為に出来るだけ期待値をゼロに近づける為の手法を使用していますので、ここで紹介している手法には優位性はないという事はご留意ください。

CCFpについて

特に必要ないかもしれませんが、一応CCFpについての解説も載せておきます。

CCFpの解説

上図の下側、ローソク足ではないインジケータがCCFpです。
日足でのトレードとなる為、現在は日足で表示してあります。
図中の①の縦線と②の縦線の間が1日前のCCFpの値となっております。
値上がりしている通貨はCCFpは右肩上がりに、値下がりしている通貨はCCFpが右肩下がりになっています。

今回は、日足終値確定時点のCCFpを見て、最もCCFpの角度が右肩上がりの通貨を買い、最もCCFpの角度が右肩下がりの通貨を売っています。

今回使用する手法まとめ

CCFpを元に通貨ペアを選択し、日足確定時のみ倍々

  1. 日足の終値確定時点でのCCFpの角度をチェック。
  2. CCFpの角度が最も右肩上がりの通貨を買い、CCFpの角度が最も右肩下がりの通貨を売ります。
     例)上図で見るなら、最も強い通貨は円、最も弱い通貨はポンドですので、取引する通貨ペアは“ポンド円売り”となります。
  3. 次の日の朝、日足確定時点で前日に取引したポジションは決済します。
  4. ①へ戻ります。
上記を毎日繰り返し売買した表が、エクセルシート表②の左側半分となります。ここでは2012年の1月~12月までを検証してあります。
現在は2015年になりますが、まだトレードを生業としていた頃に、仲間のトレーダーへ玉操作について解説する為に作成した資料になりますので、少し古いデータを使用しています。

シート表②の詳しい見方

表②に関しては、見ただけでは不明点が多いかもしれませんので、以下で詳細を解説させていただきます。

A列
日付
B列
曜日
C列~I列
通貨毎の強弱 a=オジ y=円 c=カナダ f=スイスフラン p=ポンド e=ユーロ d=ドル
J列
前日のCCFpのサイン(ドルと円 対 他通貨の組み合わせで通貨ペアを選択しています ボラの小さいカナダは省きました。)
K列
当日実際に売買する通貨ペア
L列
1トレード毎の売買損益
M列
月初めから月終わりまでの売買損益の合計(売買損益の合計は、1ヶ月毎にリセットして計算してあります。)
エクセルファイルと手法に関しての解説は以上となります。ここからは玉操作についての本題に入らせていただきます。

玉操作(資金管理)についての解説

玉操作とは

為替取引ではレバレッジが存在する為、玉操作を行いトレード毎に張る玉の枚数を調節する事で、最終的に利益を残す確率を上げるという事が可能となっています。

今回紹介します玉操作に関しても、有名なマーチンゲールやココモ、モンテカルロといった投資法と考え方は似ていますが、レバレッジや損益率の存在する為替相場においては、ギャンブルにおける投資法とは全く別のものとなります。
つまり投資法と聞くと「リスクが高い」と頭から否定される方もみえますが、残念ながら全く逆で、玉操作の仕組みを理解すると、逆に玉操作を行わないトレードのリスクを受け入れ難くなるのではないかと思われます。

具体的な玉操作の方法を以下で解説していきます。

エクセルのシート表③を参照ください。
先程の表②CCFp売買履歴に簡単な玉操作を適用してみました。

玉操作資料エクセル1

表③ 具体的な玉操作方法

この表でやっている玉操作の方法は「損益合計pipsがマイナスに落ち込んだ時、マイナスpipsの合計に応じて玉を増やして行く」という方法を適用しています。

玉を増やす割合は、セルV2で調節可能なようににしてありますが、デフォルトの状態の設定値は「5」としてあります。
例えば損益pipsの合計が-100pipsとした時、次のトレードで張る玉数は、

100÷5(設定値V2)=20
これに1000通貨をかけた
20×1000通貨=20000通貨
つまり初期玉に2万通貨を追加して張るという意味になります。

表③ エクセル「列」の解説

R列 玉数
定義の説明
定義語
初期玉数は1枚にしてあります。ここでは負け続けて玉数が無限に増える事を防ぐ為、玉数は1ヶ月毎にリセットしています。
S列 玉数×1トレード毎の損益pips。
初期玉数を基準にし、1トレード毎の損益pipsを計算したものになります。
T列 s列で計算した初期玉数を基準にした損益pipsの合計。
ここでも負け続けて玉数が無限に増える事を防ぐ為、玉数は1ヶ月毎にリセットしています。
U列 資金量の推移
合計資金量の推移になります。
W列以降
計算式が入っているだけなので無視してください。
表③の説明は以上となります。

1年間 玉操作を行った結果を比較

表③の玉操作を使用したトレード結果を1月から順番に見て行きます。

1月

資金管理無しで、月間獲得pipsは219.5pips
損益がマイナスへ落ち込む事もなく、順調に資金は増えていますので、玉操作を導入した意味の無い月になりました。
2月

1月に引き続き、2月も良い相場が続きました。
3月

3月は玉操作無しだと負けてしまいますが、玉操作有りだと勝っています。
4月

4月は玉操作有りでも無しでも負けていますが、玉操作有りの場合だと負け額は抑えられています。
5月

5月は4月の反動からかトレンドが出たようです。
損益pipsがマイナスに落ち込んだのは初日だけで、1月2月と同じように玉操作の意味が無い月になっています。
6月

6月も5月と同じで、玉操作の意味のない月となっています。
7月

7月も5月、6月と同じで、玉操作の意味のない月となっています。
8月

8月は玉操作無しだと負けてしまいますが、玉操作有りだと勝っています。
9月

この月は、玉操作のもう一つの強みが出た月となっています。
玉操作は負け難いだけではなく、ただ回しているだけで資金が増えていきます。
10月

この月も10月と同じで、ただ回しているだけで資金は増えていっています。
11月

11月はまた良い相場が来たようで、玉操作を行う意味のない月となっています。
12月

12月は、玉操作無しで50pips獲得に対して、玉操作有りで440pips獲得となっています。回せば回すほど資金が増えていくのは玉操作の特徴になります。

玉操作無しの場合の月別の獲得pipsと、玉操作有りの場合の月別の獲得pips。

  • 玉操作無しの場合 年間獲得 1787pips
  • 玉操作有りの場合 年間獲得 3658pips

玉操作に関するメリットとデメリット

玉操作を行う場合のリスクについて

まず上記の年間獲得pipsについて、疑問が湧いてくるのではないでしょうか?
枚数に関して、玉操作無しの場合は1枚のみ張っていますが、玉操作有りの場合は8枚まで張っています。

もしも玉操作無しで8枚まで張っていたとすると、年間獲得pipsは、1787pips×8枚=14296pipsとなります。
つまり玉操作有りと無しで、リスクを同程度?とした場合、玉操作を行った場合、トレードにおける資金の増え方が緩やかになるという事になります。
以下で玉操作のメリットとデメリットを比較していこうと思います。

玉操作有りの場合のメリット/デメリット

玉操作を行うメリット

利益を残し易く、負け難い。
トレードを行い資金を回しているだけで資金が増えていく。

玉操作を行うデメリット

レバレッジをかけ難く、資金の増え方が緩やかになる。

玉操作無しの場合のメリット/デメリット

玉操作を行わないメリット

レバレッジをかけ易く、良い相場の時は資金が一気に増えていく。

玉操作を行わないデメリット

ドローダウンに弱く、玉操作有りに比べ利益を残し難い。

玉総裁有りと無し、どちらも一長一短になりますが、以下で更に詳細を解説していこうと思います。

玉操作有り/無しの比較

例えば、相場の実力が同程度の、AとBがいたとします。
Aは、玉操作無しでハイレバで張っています。
Bは、玉数上限をAと同じにして、玉操作有りで張っています。

簡単に勝てる相場が来た場合、Aは爆益、Bは微益。

逆に難しい相場が来た場合、Aは大損、Bは微益か微損。

簡単に利益を残せる相場ばかりならAの資金は一気に増えていきますが、難しい相場が続き大きなドローダウンが来た場合、Aの資金は一気に減ってしまいます。Bの場合は難しい相場が来たとしても、角度は緩やかですが資金は右肩上がりに増えていきます。
資金が順調に増えていく簡単な相場ばかりが続けば、玉操作を行う必要もないのですが、相場というものは一定ではなく、必ず利益ならないドローダウンの時期が訪れます。
つまり玉操作とは、ドローダウン時期のリスクを減らし、資金をより安全に運用していくという事を目的としている戦略となります。
もしもの話ですが、裁量の実力の無い初心者トレーダーが、高いレバレッジで相場を張り、ハイリスクハイリターンで利益を残そうと努力している中、裁量の実力のある熟練トレーダーが、月利数%のみを狙い、レバレッジを下げ、玉操作を行いながら安全に大きな資金でトレードしてるとしたら・・・・ゾッとしませんか?
相場はお金の奪い合いですので、戦略的に優れる事が利益を残すために重要になってきます。逆に言ってしまうと、レバレッジを落とし玉操作を行う事で、高いレバレッジで張っているトレーダーを簡単に殺せるという話にもなります。
しかし月利で数%を目指して玉操作を行うと言っても、倍々ゲームを夢見るトレーダーには興味の無い話になってしまうのかもしれませんが、海千山千のトレーダーの中で、自分ひとりだけが特別に勝ち続ける事が出来るというのも夢物語の幻想でしかないのではないでしょうか。
エクセルに、月利平均数%を狙ったトレードの複利計算シートを用意しておきましたのでよろしければお使いください。月利数%というと少し長く感じるかもしれませんが、自身の頑張り次第で、2年~3年で1000万昇給する仕事というのは、なかなか無いのではないでしょうか。
個人的には、大切なのは稼ぐスピードではないと思います。
資金量というのは個々人で違っていて当たり前ですし、焦る気持ちがあるのもわかるのですが、資金の増えるスピードというものは、受け入れられるリスクによって変化するものだと思います。
大きくリスクを取れば、リターンは大きく、小さくリスクを取れば、リターンは小さい。
今回は玉操作について考える事で、小さくリスクを取れば、リターンは小さいが、勝ちやすくなるという考え方もあるという事を頭に入れて、今後のリスク管理の参考になればと思い、玉操作についてご紹介させていただきました

実際に相場は玉操作だけで勝ててしまうというのは本音です。

タイプ別 玉操作計算シート

エクセルのシート 資金管理①~④について
資金管理方法の例として4つの簡単計算シートを作成しておきました。

  • 資金管理① イージーモード    資金増加スピード遅い 負け難い
  • 資金管理② ノーマルモード       ↓
  • 資金管理③ ハードモード        ↓
  • 資金管理④ ナイトメアモード   資金増加スピード速い 負け易い
資金管理や玉操作について何も考えなければ ナイトメアモードで張るしかないのですが、というか世の中のほとんどのトレーダーはナイトメアモードしか知らないのではないかと思われます。